【特集】ブリューゲル展

画家一族 150年の系譜

【特集】ブリューゲル展


 16世紀フランドルを代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世。その画家としての才能は息子のピーテル2世、ヤン1世、さらに孫、ひ孫の代まで受け継がれ、ブリューゲル一族はおよそ150年に渡り優れた画家を輩出し続けることでひとつのブランドとして確立していきました。
 本展では、多様な主題を扱い、様々な芸術的視点と様式を持ったこの一族の4世代にわたる画家たち9人の作品を中心に、同時代のフランドル絵画に光をあて、ブリューゲル一族と16、17世紀フランドルにおけるブリューゲル様式の全体像に迫ります。


類い稀なる画家一族 150年の系譜を辿る

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上段左 ピーテル・ブリューゲル1世[下絵]
ピーテル・ファン・デル・ヘイデン彫版「最後の審判(1558年)」Private Collection
上段右 ピーテル・ブリューゲル2世「鳥罠(1601年)」Private Collection,Luxembourg

 16世紀のフランドル(現在のベルギーにほぼ相当する地域)を代表する画家ピーテル・ブリューゲル1世。聖書の世界や農民の生活、風景などを時に皮肉を交えながら描き、当時から高い評価を得ました。彼の息子のピーテル2世、ヤン1世も父と同じ道へ。長男のピーテル2世は、人気の高かった父の作品の忠実な模倣作(コピー)を描き、次男のヤン1世は父の模倣にとどまらず花をはじめとする静物を積極的に描き、「花のブリューゲル」などと呼ばれ名声を得ました。
 さらにヤン1世の息子・ヤン2世も父の工房で絵を学んで画家となり、ヤン2世の息子たちも同じ道を歩むことに。そしてブリューゲル一族は、150年と長きに渡り、画家を輩出し続けたのです。
★農民の生活を多く描き、本展にも出展されているダーフィット・テニールス2世は、ヤン1世の娘の夫


貴重なプライベート・コレクション そのほとんどが日本初公開!


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上段左 ピーテル・ブリューゲル2世「野外での婚礼の踊り(1610年頃)」 Private Collection
上段右 ヤン・ブリューゲル1世「ノアの箱舟への乗船(1615年頃)」 Anhaltische Gemäldegalerie Dessau

 本展では、ピューテル・ブリューゲル2世による《野外での婚礼の踊り》など、ブリューゲル一族の画家たちが生み出した宗教画、風景画、寓意画、静物画などおよそ100点がお目見え! それらの多くが、通常見ることのできないプライベート・コレクションに納められているものなのだそう。そのため出展される作品のほとんどが日本初公開とあって必見です!


緻密絵画のルーツと伝統にも注目



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ヤン・ブリューゲル1世「水浴をする人たちのいる川の風景(1595〜1600年頃)」 Private Collection,Switzerland


 ピーテル1世がなくなったのは1569年。長男のピーテル2世は5歳頃、次男ヤン1世はわずか1歳頃のこと。父と同じ道を歩み、父の作品の模倣作(コピー)も描いている2人ですが、一体どのように絵を学んだのでしょうか?
 もちろん、父の工房にはお手本となる作品が残されていたことでしょう。実際に2人の絵の手ほどきをしたのは、ピーテル1世の義理の母であり2人の祖母にあたるマイケン・ヴェルフルストだと言われています。彼女は当時では珍しい女性の芸術家で、1567年に出版された書物の中でも、最も優れた女性芸術家のひとりとして取り上げられる実力の持ち主です。
 今回の出展作品には、縦・横30cm未満の比較的小さな作品が多く含まれていますが、よく見るといずれも驚くほど細部を描きこんでいるのがわかります。例えばヤン1世による《水浴をする人たちのいる川の風景》は、わずか17×22cmの作品ながら、水面に映る人影まで細かく描かれているのです。 ぜひ来館の際に、単眼鏡やオペラグラスを持参してみては。


「工房作」「共作」が多数出展

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上段左 ヤン・ブリューゲル1世 ヤン・ブリューゲル2世
「机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇(1615〜1620年頃)」Private Collection
上段右 ピーテル・ブリューゲル1世と工房「キリストの復活(1563年頃)」Private Collection,Belgium

 本展の出展作品で多く見掛けるのが、工房作や共作。工房作とは、画家が自身の弟子達に指示して描かせた作品のことで、師匠である画家の監督のもと弟子達は師匠の下絵に基づいて描きます。人物の表情といった重要な部分は、最後に師匠自身が描くことも。たとえ画家本人が直接描いていなくても、弟子たちは師匠の指示通りに描いているので作品にはその画家の創意や構想が表されているとみなされました。
 一方、共作とは複数の画家が共同してひとつの作品を描くこと。物語画や寓意的な主題において、人物を描く画家と、風景や静物の専門家が分担して描く作例は多数存在します。共作は画家自身が別の画家に依頼する場合もあれば、注文主が複数の画家に共作での制作を依頼することもあったそうです。
 注目のブリューゲル展は、東京都美術館で好評開催中! 今回、5組10名に招待券がプレゼントされるのでぜひ応募を。



■会期/〜2018年4月1日(日)
■会場/東京都美術館
■交通/JR「上野駅」公園口より徒歩7分、銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分、京成線「京成上野駅」より徒歩10分
■開室時間/9時30分〜17時30分 ※金曜は20時まで ※入室は閉室の30分前まで
■休室日/月曜日
■観覧料金/[当日]一般1,600円、大学生・専門学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円
http://www.ntv.co.jp/brueghel/


更新日:2018年3月7日(水)

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