【特集】プーシキン美術館展――旅するフランス風景画

旅行気分で風景画を巡る

【特集】プーシキン美術館展――旅するフランス風景画

ポスタービジュアル


 珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日中! 神話の物語や古代への憧憬、そして身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れを堪能できます。
 なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》をはじめ、ロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が勢揃い。巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景は旅する気分で巡りませんか。


神話や聖書その物語を彩る風景

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(左)ユベール・ロベール ≪水に囲まれた神殿≫ 1780年代 (右)クロード・ロラン ≪エウロペの略奪≫ 1655年


 神話や聖書の物語などの背景として描かれてきた風景は、17世紀のオランダにおいて「風景画」というひとつのジャンルとして独立します。フランスの画家たちも次第に自然そのものに高い関心を示し、イタリアで目にした古代の遺跡や旅先の目新しい風景を描いていきました。19世紀に入ると不慶賀の世界は豊かに花開き、身近な自然を愛したバルビゾン派の画家達が純粋な風景画の流行をもたらしました。

生まれ変わった華やかなりしパリ

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(左)ジャン=フランソワ・ラファエリ ≪サン=ミシェル大通り≫ 1890年代
(右)ピエール=オーギュスト・ルノアール ≪庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰≫ 1876年


 パリでは19世紀半ばから外科手術に喩えられるほどの「パリ大改造」(1856〜1870)が行われ、街並は大きく様変わり。この新しい近代都市・パリに、若い画家たちは熱い視線を向けました。生まれ変わった街を歩き、同時大の都市風景を様々な角度から描く画家たち。ラファエリは通り沿いに連なる高い建物と賑わう広場を、ルノワールは木陰に集うパリっ子たちの楽しげなひとときを捉えています。

郊外での木漏れ日のきらめき

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クロード・モネ ≪草上の昼食≫ 1866年


 19世紀後半、パリを起点に鉄道網が発達。大都市パリに住む人々は、気軽に郊外でレジャーを楽しむようになり、自然に触れながらつかの間の休息を楽しみました。画家たちもこぞって郊外に滞在、あるいは移り住み、緑溢れる風景を見いだして行きます。ジヴェルニーに移住したモネは光の移ろいを繊細な色調で捉え、マティスは大胆な筆遣いで差し込む陽光を表現しました。


自然美溢れる、森へ、山へ、海へ。

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(左)ポール・セザンヌ ≪サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め≫ 1905〜06年
(右)アンドレ・ドラン ≪港に並ぶヨット≫ 1905年


 画家達の創作意欲を刺激したノルマンディーのきらめく海辺や南フランスのまばゆい光。それぞれが感じた風景をカンヴァスにとどめるため、色彩の使い方やモチーフの形態に独自の表現が用いられていきます。セザンヌはリズミカル筆触を積み上げるようにサント=ヴィクトワール山を描き、ドランは鮮やかな色彩でモチーフを単純化しながら美しい港町を表しました。


もっと遠くへ。異国への誘い

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(左)アンリ・ルソー ≪馬を襲うジャガー≫ 1910年 (右)ポール・ゴーガン ≪マタモエ、孔雀のいる風景≫ 1892年


 万国博覧会で展示される異国の文化、メディアの発達でもたらされる各地の情報により、さらに遠い世界へ誘われる画家たち。こうした刺激を受けた画家たちは、実際には無い風景をも豊かな想像力で創り上げていきます。ゴーガンは西洋文化から離れるべくタヒチ島へ向かい現地の風景を表現。ルノーはパリを離れることなく熱帯の濃密なジャングルの情景を生み出して行きました。
 本展は、東京都美術館で好評開催中! 初夏の心地よいひとときに、風景画の旅へお出かけを。


※作品写真はすべて ©The Pushkin State Museum of Fine Arts,Moscow.

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■会期/2018年4月14日(土)〜7月8日(日)
■会場/東京都美術館 企画展示室(台東区上野公園8−36)
■開室時間/9時30分〜17時30分 ※金曜は20時まで ※入室は閉室の30分前まで
■休室日/月曜日 ※4月30日は開室
■観覧料金/一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、65歳以上1,000円

http://pushkin2018.jp/

更新日:2018年5月9日(水)

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