一期一会の演技を見逃したくない
新開場10周年の歌舞伎座へ
歌舞伎をよく観たのは、「平成中村座」で十八代目中村勘三郎さんが座長を務めていた2008年頃。浅草寺の小屋で上演された「隅田川続俤 法界坊」は、最後に法界坊が舞台奥から小屋の外に逃げ出すという立体的な演出が面白かった。ニューヨーク公演では、小屋を飛び出すとNY市警察が銃を構えているという演出でしたね。中村勘三郎さんは大好きな役者さんでした。
もう随分昔のことになりますが、ある会社の貸切り公演で歌舞伎座に行きました。当時のオールスターが勢揃いする舞台だったのですが、そのときの席が花道のすぐ横の前から3列目。間近で見る役者さんたち、特に玉三郎さんの美しさに感動したのでした。その玉三郎さんも御歳73歳。そして、観たいと思いながら1度も観ずに悔やまれるのがスーパー歌舞伎です。亡くなった猿翁さんがダイナミックに飛び回る姿を観たかった。
歌舞伎座が新しくなって今年で10周年。映画と違って、生きた役者さんが演じる歌舞伎の舞台は一期一会です。思えば、話題の舞台を数々見逃してきました。これ以上見逃さないために、もっと歌舞伎を観に行こう。今月は「十二月大歌舞伎」。当代きっての役者さんたちの演技が見られます。私も久しぶりに、心震わす“おとな時間”を味わってこようと思います。
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更新日:2023年12月6日(水)