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【特集】開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで【応募〆切10/24】

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館
松岡美術館では、「開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで」を2025年10月28日(火)から2026年2月8日(日)まで開催します。
1975年11月25日、新橋日比谷通りに面した松岡田村町ビル内に開館した初代館長 松岡清次郎(1894・明治27-1989・平成元)は、20代半ばより骨董に目覚め、半生をかけて2,400点余りの美術品を蒐集しました。開館50周年企画の第3弾は松岡の人となりにふれつつ、白金台移転後は紹介される機会のなかった作品も含めた幅広いジャンルのコレクションを楽しむことができます。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

彩色木棺 第30王朝–プトレマイオス朝初期 紀元前4世紀頃
エジプト(常設展示)

見どころ



1.西洋絵画の本格的蒐集のきっかけとなった1980年のオークション落札作品

1969年(昭和44)、海外のオークション会社による日本で初めての美術品公開オークションが東京で開催されました。この熱気に包まれた会場で当時75歳の松岡は陶磁器と西洋画を入手しましたが、本格的に印象派やエコール・ド・パリの作品に関心を抱いたのは1980年にホテルオークラが会場となった「19世紀・印象派・20世紀絵画・版画・彫刻」のオークション以降で、1983年から最晩年まで毎年ニューヨークやロンドンのオークションに参加し、総数130点余りのコレクションを形成しました。今回は本格的蒐集の端緒となった1980年取得のフランス近代絵画、ヴィクトリア朝イギリス絵画を紹介します。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

(左)モイーズ・キスリング 《ブルターニュの女》 1927年
(右)チャールズ・E・ペルジーニ 《束の間の喜び》

2.白金台移転後、初めての出品となるロマンあふれる品々

明治生まれの人の異国への憧れやロマンチシズムは、現代の私たちの感覚とは比較にならないほど強いものだったに違いなく、「何故か自分でもよくわからないが若い時分から美術品が好きだった」という松岡の蒐集は、陶磁器や絵画以外にも青銅器、中国の鏡、玉器、漆器、七宝、金銅仏、彫刻(石像・木造・ブロンズ)、能面、矢立や刀装具、少数ながら古代ガラスにも及びます。今回は、そうしたジャンルに納まらない、或いは点数が少ないなどの理由から、白金台移転後は公開されていない品々をこの機会に披露します。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

色絵オルペウス物語図双耳壺 サヴォナまたはナポリ窯 17世紀

3.実業家でありコレクターであった初代館長 松岡清次郎とは?

創作活動に人柄がにじみ出るように、一人の人物が作り上げたコレクションには、その人の個性があらわれるのではないでしょうか。そのひとつが、先にも触れましたコレクションの幅の広さです。これは松岡がチャレンジ精神や好奇心の強さから様々な美術品に関心を寄せたことを物語っています。また、絵画では人物を主題とした作品が多く、実業家として人との関わりは欠かせないことではありますが、本質的に人が好きだったようです。多忙な事業の傍ら美術品の蒐集にかける情熱は、仕事同様に懸命でファイティングスピリットにあふれていました。本展では様々なコレクションをご覧いただきながら、松岡の人となりを紹介します。

展示構成



1. 異国への憧憬

松岡は 1894年(明治27)、築地小田原町(現在の中央区築地)に生れました。1899年まで外国人居留地だった隣町の築地明石町で小学生の頃から英語を学び、早くから外国人と接触があったためか、商業学校を卒業すると銀座の貿易商に勤めています。そして数年後、独立して自ら海外との取引を始めました。いわば幼年期から世界を意識するようになったことが、古今東西の美に対する関心へとつながっていったのでしょう。多忙な経営の傍ら日本画などを蒐集していた当初の時期を経て、海外の美術品を追うようになった1969年から1975年にかけて取得したギリシアの《黄金花冠》(紀元前4世紀頃)、《ペルシアの兜》(19世紀)(白金台では初展示)などを出品します。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

ペルシアの兜 19世紀

2. ホスピタリティ

23歳で独立した松岡の事業は順調に進み、大正末期の30代頃から経営の多角化を進め、第二次世 界大戦を乗り越えたのでした。平和な時代が訪れると、美術品の売り立ても活発になっていきました。今ほど気軽に渡航できなかった時代、もっぱら書物で触れる古代文明の遺物などを眼前で鑑賞できるようにとの心づもりから、美術館開設後の松岡は古代エジプトやギリシア・ローマの古代遺物、さらには西洋の陶磁器に魅かれていきます。ここでは《バステト女神》、《アフロディテ像》や白金台では初めての展示となるマジョリカ陶器といった品々と、コレクターとして松岡が最も力を入れた中国陶磁器を紹介します。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

(左)粉彩八桃文盤 清時代 雍正 1723~1735年 景徳鎮窯
(右)バステト女神 第22王朝-第30王朝 エジプト

3. 人との関わり

実業家として経営を続けていく上で「人」との関わりは欠かせない要素であり、公私ともに大きな影響をもたらしたことでしょう。館蔵品には人物を主題とした作品が殊のほか多く、本質的に人と関わることが好きだったのだと思われます。美大系予備校を開校して以 降は講師陣との交流を通して、毎年のように海外オークションと掛け持ちで日展や院展といった団体展を訪れるようになり、生命感あふれる作品や人生の機微をとらえた情感豊かな人物画などを選んでいます。ここでは晩年になってから熱心に蒐集した1970年代〜80年代の額装作品を見ることができます。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

堀川公子 《燈》 昭和60(1985)年 第40回春の院展

4. 西洋画本格蒐集の始まりとなる1980年のオークション取得作品より

現在の当館は、東洋陶磁よりもフランス印象派やエコール・ド・パリの画家たちの作品で親しまれているかもしれませんが、松岡が本格的に西洋画を蒐集し始めるのは亡くなる9年前の1980(昭和55)年でした。その時以来、海外へ中国陶磁を求めに行きながらフランス近代絵画も入手するようになり、最終的に130点ほどのコレクションとなります。今回は、ぺルジーニ《束の間の喜び》、ブーグーロー《編み物をする少女》、シャガール《婚約者》など 1980年に日本で開催されたオークションでの取得作品から13点を出品します。

開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで_松岡美術館

(左)ウィリアム・アドルフ・ブーグロー 《編み物をする少女》 1874年
(右)マリー・ローランサン 《帽子をかぶった少女》 1924年頃

■展覧会名/開館50周年記念 わたしを呼ぶ《アート》 古代エジプトの棺からシャガールまで
■会期/2025年10月28日(火)〜2026年2月8日(日)
■会場/松岡美術館 (東京都港区白金台5-12-6)
■開館時間/10時~17時(最終入館時間16時30分)
■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)2025年12月29日(月)~2026年1月5日(月)
■入館料/一般 1,400円、25歳以下 700円、高校生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名まで半額
■企画/安斎明子
■アクセス/東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」1番出口から徒歩7分、JR「目黒駅」東口から徒歩15分

★こちらの観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切10/24(金)12:00 まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

松岡美術館 公式サイト

更新日:2025年10月1日(水)