【特集】ランス美術館コレクション
風景画のはじまり コローから印象派へ

【特集】ランス美術館コレクション<br />風景画のはじまり コローから印象派へ

(左)アシル=エトナ・ミシャロン《水車小屋のある風景》1814-16年 油彩/カンヴァスに裏打ちされた紙 37.5×26.4 cm
Inv. 2000.3.1 ランス美術館 © MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer
(右)ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《湖畔の木々の下のふたりの姉妹》1865-70年 油彩/カンヴァス 67.4×47.6cm Inv. 887.3.82 ランス美術館 © MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer


 フランス、シャンパーニュ地方にあるランス美術館は、19世紀絵画のなかでもとりわけ風景画コレクションが充実し、特にカミーユ・コローの作品は、ルーヴル美術館に次いで数多く所蔵されています。 本展では、このランス美術館のコレクションから選りすぐりの名品を通じ、印象派でひとつの頂点に達するフランス近代風景画の展開をたどります。
 19世紀初頭に成立した「風景画」は、フランス革命と産業革命を経て近代化をむかえたフランスにおいて、鉄道網の発達、チューブ式絵具の発明、また新興ブルジョワジーの台頭などを背景に、さらなる展開をとげました。戸外制作を積極的に行った画家たちの眼差しを通してとらえられた各地の自然は、生き生きと、実に様々に表現されていきます。本展では、油彩、版画など約80点を通じ、近代風景画の先駆者ミシャロンやベルタンにはじまり、コロー、クールベ、バルビゾン派、ブーダン、そして印象派のモネ、ルノワール、ピサロら19世紀のフランス絵画の巨匠たちが勢揃いします。

第1章 コローと19世紀風景画の先駆者たち

 フランスにおいて「風景」が絵画の主題と認められたのは、18世紀末のことです。芸術の崇高化を目的とした美術アカデミーでは「歴史画」が絵画の分野では最も高尚なものと考えられていたからです。しかし1817年、美術アカデミーに「歴史風景画部門」が新設。ジョルジュ・ミシェル、アシルエトナ・ミシャロン、ジャン=ヴィクトール・べルタンら風景画家が活躍し、彼らは戸外で風景を観察し習作やスケッチを制作し、それらをもとにアトリエで最終的な「風景画」を完成させました。

第2章 バルビゾン派

 1820年代から30年代にかけて、パリから約60キロメートル南東に位置するフォンテーヌブローの森に、多くの画家が集まりました。彼らの目的はフォンテーヌブローの森の自然を直接観察し、風景画として描くことでした。画家たちは隣接する村バルビゾンに滞在、あるいは定住してアトリエを構え風景画を制作、彼らはこの村の名にちなみ「バルビゾン派」と呼ばれるようになりました。

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(左)テオドール・ルソー《沼》1842〜43年 油彩/カンヴァス 41.1×63.3cm Inv.907.19.227
ランス美術館 © MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer
(右)コンスタン・トロワイヨン《ノルマンディー、牛と羊の群れの帰り道》1856年 油彩/板 46.2×60.8cm
lnv.907.19.234 ランス美術館 © MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer

第3章 
画家=版画家の誕生

 写真の技術が広く普及し向上するまで、絵画の複製には版画の技法が用いられていました。18世紀以前、こうした複製版画は画家の原画を元に専門の彫り師が版を作成していましたが、19世紀にはいると画家自ら版を作成するようになり、カミーユ・コローやバルビゾン派の画家たちも版画を自ら作成しています 。こうして作成された画家自身による複製版画やオリジナル版画は、新聞や雑誌 などの印刷物を介して広まり、風景画の普及と発展に貢献しました。

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シャルル=フランソワ・ドービニー《カラスのいる木》1867年 エッチング/紙 21.7×29.9cm 個人蔵

第4章 
ウジェーヌ・ブーダン

 ウジェーヌ・ブーダンは、フランス北西部の港町ル・アーヴルで幼少期過ごし、コンスタン・トロワイヨンやジャンフランソワ・ミレー (1814-1875)など、先代の風景画に触れるなかで画家となることを目指しました。 パリでの修行を終えた後は、ノルマンディー沿岸を中心に、船や海景を描き、変化に富む空模様を捉えたその作品を評価したカミーユ・コローは、ブーダンを「空の王者」と呼びました。ブーダンの制作態度や自然へのまなざしは、バルビゾン派と印象派との橋渡しとなりました。

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ウジェーヌ・ブーダン《ベルク、出航》1890年 油彩/カンヴァス 79×110.2cm Inv.907.19.34
ランス美術館 ©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer

第5章 
印象主義の展開

 19世紀にも依然として「風景画」は絵画ジャンルのヒエラルキーのなかで下位にありました。そうしたなか、カミーユ・コローやバルビゾン派、ウジェーヌ・ブーダンに倣って積極的に戸外制作を行ったクロード・モネ、ピエールオーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロら若い世代の画家たちは、自らの眼を通じて捉えた風景を生き生きと描き出していきます。彼らの絵は、筆触分割による明るい色彩と大胆にも残された筆跡を特徴とし、しばしば「未完成」だと非難され、サロン落選を繰り返しますが、後に彼らの革新的な表現は「印象派」と呼ばれ、近代絵画の歴史に大きな転換をもたらすことになるのです。

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(上)クロード・モネ《べリールの岩礁》1886年 油彩/カンヴァス 65.6×81.5cm Inv.907.19.191
ランス美術館 ©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer
(左下)ピエール=オーギュスト・ルノワール《風景》1890年頃 油彩/板に裏打ちされたカンヴァス 23.4×33 cm
Inv. 949.1.61 ランス美術館 ©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer
(右下)カミーユ・ピサロ《ルーヴル美術館》1902年 油彩/カンヴァス 46.3×55.6cm Inv.907.19.208
ランス美術館 ©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer



展覧会名/ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ
■会期/6月25日(金)〜9月12日(日)
■会場/SOMPO美術館(〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1)
■開館時間/10時〜18時 ※最終入館は午後17時30分まで
■休館日/月曜日(ただし8月9日は開館、翌10日も開館)
■観覧料/一般1,500円、大学生1,100円、高校生以下無料
■主催/SOMPO 美術館、朝日新聞社
■協賛/損保ジャパン
■後援/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
■協力/日本航空
■企画監修/ランス美術館
Exposition produite et gérée par le Musée des Beaux-Arts de la VILLE DE REIMS EN FRANCE.
■企画協力/ブレーントラスト
■お問い合わせ/TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)
■アクセス/新宿駅西口より徒歩5分

◎ホームページ→ https://www.sompo-museum.org/

※画像写真の無断転載を禁じます

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更新日:2021年7月7日(水)

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