松岡美術館(港区白金台)は「美しい人びと 松園からローランサンまで」を2023年2月21日(火)より6月4日(日)まで開催します。同館は実業家 松岡清次郎が蒐集した美術品を公開するため、1975(昭和50)年に設立された私立美術館です。1917(大正6)年 貿易商から身を起こした清次郎の理想は、自らの眼にかなった「美しいもの」を追い求め、蒐めていくことでした。本展では、上村松園の格調高い美人画をはじめ、鏑木清方、下村観山、伊東深水、さらにフランスのローランサン、ヴァン・ドンゲンらの女性像や男性像など、年齢や性別にとらわれない美しい人びとを描いた作品をお楽しみいただきます。
展覧会概要
「美人画」という言葉が一般的になったのは明治期以降ですが、日本では古来より美しい女性の姿が描かれてきました。一方、物語の登場人物として人気の高い在原業平や光源氏など魅力的な男性の姿も絵画や工芸などにあらわされてきました。今展では、上村松園、伊藤小坡、鏑木清方、伊東深水ら人気の高い「美人画家」たちの作品とともに、下村観山、吉川霊華らによる男性像や、ローランサン、ドニ、ヴァン・ドンゲン、ペルジーニなどの西洋絵画も紹介します。性別・年齢にとらわれない東西の美しい人びとをご覧ください。

(左上)マリー・ローランサン 《若い女》 1937年
(右上)松室加世子《燭光》 1985(昭和60)年 再興第70回院展
(左下2枚)下村観山《山寺の春》 1915(大正4)年 二幅対 前期展示
(右下)上村松園《藤娘之図》 明治末頃 後期展示
※会期半ばで一部展示替えを行います。
前期展示 2月21日(火)~4月16日(日) / 後期展示 4月18日(火)~6月4日(日)
同時開催
●憧憬のペルシア
イスラーム時代に中近東で作られた陶器をペルシア陶器と呼びます。1972(昭和47)年、初代館長は初めて海外オークションに参加し、その帰途に立ち寄ったテヘラン(イラン)で 9世紀から13世紀のペルシア陶器をまとめて取得しました。これらは以後の東洋陶磁やインド彫刻、西洋の古代彫刻蒐集等の魁となる作品群で、松岡コレクションの幅広さが美術館設立の構想以前に形成されていたことを物語っています。今回は館蔵のペルシア陶器約50点を一挙公開いたします。貴人や動物が描かれた鉢、ターコイズブルーの水差しに加え、輝くラスター彩の壺など悠久の時を伝えるエキゾチックな世界をお楽しみください。

(左)三彩刻線花文鉢 イラン 9~10世紀(中央)色絵騎馬人物文鉢 イラン 13世紀(右)青釉黒彩人物形瓶 イラン 13世紀
通年企画
●古代オリエント 創造の源
所蔵品の中で最も古いトルコの《横たわる女人像》をはじめイラク、ギリシアなどの古代オリエントの彫像を展観します。古代オリエントの文物には当時の人々が思い描いた理想が織り込まれるとともに、人間が抱いてきた不変の感覚を我々に伝えてくれます。また、こうした古代の造形は後世の芸術家たちのインスピレーションを刺激し、様々な芸術作品が生み出されました。古代以来、連綿と受け継がれてきた創造の原型をご覧いただき、古代人が思い描いた理想や現代にも通ずる人類不変の感覚に思いを馳せていただければ幸いです。

横たわる女人像 紀元前5600年頃 トルコ
■展覧会名/美しい人びと 松園からローランサンまで
同時開催 憧憬のペルシア 《通年企画》古代オリエント 創造の源
■会期/2月21日(火)~6月4日(日)
前期 2月21日(火)〜 4月16日(日)
後期 4月18日(火)〜 6月4日(日)
■会場/松岡美術館 (東京都港区白金台5-12-6)
■開館時間/10時~17時(最終入館時間16時30分)
※毎月第1金曜日 10時~19時(入館は18時30分まで)
■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
■入館料/一般 1,200円、25歳以下500円 高校生以下、障がい者手帳をお持ちの方無料
■企画担当/企画展:寺島いずみ 同時開催:安斎明子 通年企画:山口翼
■アクセス/東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」1番出口から徒歩7分JR「目黒駅」東口から徒歩15分
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★申込み締切2/17(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。
更新日:2023年2月1日(水)