
チャールズ・R・ナイト《ドリプトサウルス(飛び跳ねるラエラプス)》1897年 グアッシュ・厚紙 40×58cm
アメリカ自然史博物館、ニューヨーク Image #100205624, American Museum of Natural History Library
世界中から珠玉の恐竜画が大集合!
恐竜展といえば化石の展示が主役ですが、本展は恐竜など古代生物を描いた「パレオアート」の世界に着目した異色の展覧会です。19世紀の恐竜“発見”以降、人々は化石などの痕跡から想像をふくらませ、絵画を主な手段として太古の世界の住人たちの姿を創造してきました。本展には、19世紀の奇妙な復元図から、20世紀に活躍した恐竜画の2大巨匠チャールズ・R・ナイトやズデニェク・ブリアンらによる記念碑的作品、漫画・玩具などのサブカルチャーからファインアート、さらには現代恐竜画の旗手たちによる近年の研究に基づくパレオアートまで、世界各国から約150もの貴重な作品が集結。かつて人々が抱いてきた恐竜などの古代生物に対するイメージの歴史をたどります。絵のなかに無限に広がる、失われた世界への想像の旅をお楽しみください。

ズデニェク・ブリアン《タルボサウルス・バタール》1970年 油彩・カンヴァス 56 x 42.5 cm モラヴィア博物館、ブルノ © Jiří Hochman - www.zdenekburian.com and Fornuft s.r.o. / Moravské zemské muzeum, Brno
見どころ1 2大巨匠が夢の競演!
チャールズ・R・ナイトは、19世紀末から20世紀前半にアメリカで活躍しました。もともと野生動物画家だったナイトは、生物学的知見に基づき、恐竜をいきいきとした姿で描き現代に蘇らせました。彼の作品は、アメリカ自然史博物館やフィールド博物館で使用されたほか、映画「ロスト・ワールド」(1925年)や「キング・コング」(1933年)などにも影響を与えました。ティラノサウルスとトリケラトプスの対決を描いた≪白亜紀-モンタナ≫や恐竜を躍動感あふれる姿でとらえた≪ドリプトサウルス(飛び跳ねるラエラプス)≫は恐竜画における記念碑的イメージです。ズデニェク・ブリアンは20世紀中盤から後半にかけてチェコで活動。当時の化石発掘の中心地であったアメリカから遠く離れた東欧圏は、直接化石を研究できる機会が限られていました。その環境にありながら、ヨーロッパ美術のリアリズムの伝統を踏まえた彼の作品は、強い説得力を持つものとして国際的に高く評価されました。パレオアートの2大巨匠である彼らの作品は、日本の図鑑などにも模写され、恐竜イメージの普及に大きな影響を与えました。かつての少年少女が胸おどらせ夢中で読んだ恐竜図鑑―そこに描かれた憧れの恐竜画のオリジナルが、本展で一堂に会します。

(左)ズデニェク・ブリアン《イグアノドン・ベルニサルテンシス》1950年 油彩・カンヴァス 60 x 48cm モラヴィア博物館、ブルノ © Jiří Hochman - www.zdenekburian.com and Fornuft s.r.o. / Moravské zemské muzeum, Brno
(右)チャールズ・R・ナイト《白亜紀―モンタナ》1928年 油彩・カンヴァス 38.1×96.5cm プリンストン大学
© Trustees of Princeton University / Image courtesy of the Princeton University Art Museum
見どころ2 君たちは誰?初期の奇妙な復元画
本展では、19世紀の恐竜“発見”から間もない時期に描かれた、パレオアート黎明期の歴史的に貴重な作品も出品されます。19世紀の復元画は、魚食のイクチオサウルスが巨大な首長竜を食べているなど、現代の我々から見ると奇妙に映りますが、歴史的価値とともに、その奇妙さもまた魅力です。限られた情報のもと、想像をはばたかせて太古の世界を描き出した初期のアーティストたちのイマジネーション豊かな数々の作品をご覧ください。

(左)ジョン・マーティン《イグアノドンの国》1837年 水彩・紙 30.2×42.6cm ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ、ウェリントン Gift of Mrs Mantell-Harding, 1961. Te Papa (1992-0035-1784)
(右)ロバート・ファレン《ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)》1850年頃 油彩・カンヴァス 190×268cm ケンブリッジ大学セジウィック地球科学博物館 © 2023. Sedgwick Museum of Earth Sciences, University of Cambridge. Reproduced with permission
見どころ3 現代の恐竜画の旗手たちが集結!
本展では、インディアナポリス子供博物館や福井県立恐竜博物館のコレクションから、ウィリアム・スタウト、ダグラス・ヘンダーソン、グレゴリー・ポールなど現代の恐竜画の旗手たちのバラエティ豊かな作品群が集結します。また、国内からは、現代日本を代表するパレオアーティスト、小田隆の迫力ある作品も特集します。CGを用いずに圧倒的な迫真性を生み出す肉筆画は必見です。

(左上)ダグラス・ヘンダーソン《ティラノサウルス》1992年 パステル・紙 36.8×68.6㎝
インディアナポリス子供博物館(ランツェンドルフ・コレクション) Courtesy of The Children's Museum of Indianapolis
© Douglas Henderson
(右上)ニーヴ・パーカー《ティラノサウルス・レックス》1950年代 グアッシュ、インク・紙 54×37.6cm ロンドン自然史博物館
© The Trustees of the Natural History Museum, London
(左下)小田隆《篠山層群産動植物の生態環境復元画》2014年 アクリル・カンヴァス 115×160cm 丹波市立丹波竜化石工房
©小田隆/丹波市
(右下)ハインリヒ・ハーダー《巨大翼竜、プテラノドン》(テオドール・ライヒャルト・カカオ・カンパニー『太古の動物』より) 1916年 リトグラフ・紙 エリック・ビュフトー・コレクション
本展ナビゲーターに南沙良さんが決定!音声ガイドにも初挑戦
本展ナビゲーターに女優・南沙良さんが就任。無料音声ガイドのナレーションにも初挑戦することが決定しました。また、展示構成&「リサとガスパール」とのコラボグッズなども公開。南さんの素敵なナレーションやキュートなグッズが展覧会を盛り上げます。
■展覧会名/特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」
■会期/5月31日(水)〜7月22日(土)
■会場/上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
■開館時間/10時~17時(土日祝は 9時30分~17時)※入場は閉館の30分前まで
■休館日/会期中無休
■観覧料/一般 2,300円、大学・専門学校生1,600円、高・中・小学生1,000円
※未就学児は無料(高校生以上の付き添いが必要)
■主催/産経新聞社、フジテレビジョン、上野の森美術館
■後援/TOKYO MX
■協賛/DNP大日本印刷、JR東日本
■企画協力/小田隆(画家・イラストレーター・京都精華大学教授)、徳川広和 (古生物造形作家・株式会社ACTOW代表)、田村博(ジャズピアニスト・恐竜グッズ収集家)、エリック・ビュフトー(古生物学者・フランス国立科学研究センター名誉研究部長)
■制作協力/ウィステリアート
■問合せ/050-5541-8600(ハローダイヤル)※全日9時〜20時
★こちらの観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切5/26(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。
上野の森美術館|特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」
更新日:2023年5月10日(水)