松岡美術館(東京都港区白金台)にて、2025年6月17日(火)から10月13日(月・祝)まで、「開館50周年記念 おいでよ! 松岡動物園」が開催されます。開館50周年にあたる2025年は3会期にわたりさまざまなテーマで松岡コレクションを紹介します。第2弾となる同展は、松岡美術館が松岡動物園になります。人類は太古から、動物をモデルに絵を描いたり、像を作ったりと、様々な形で動物の姿を捉えました。その姿は時に神々しく、時にかわいく、あるいは強く、はたまた恐ろしく、様々なイメージをもとに表されます。今回は館蔵品から動物をモティーフとした古今東西、様々な方法で象られた作品を展示し、展示室ごとにテーマを設け紹介します。この夏限定の松岡動物園をどうぞ楽んでください。
本展見どころ
1. 動物好き必見! 古代エジプトのネコから近代西洋画のヒトまで古今東西の作品を展示
同館の幅広いコレクションより、古代エジプトで神様として扱われたネコやウシなどの動物たちを象った彫刻作品から、イランや中国、日本の陶磁器、近代の日本画、ヒトを描いた西洋画まで、古今東西の動物をモティーフとした作品を一挙ご紹介いたします。この夏限定の動物が大集合した展示をお見逃しなく。

(左)《バステト女神》 エジプト 末期王朝時代 紀元前664-紀元前332年頃
(中央)《青釉銀化象》イラン12-13世紀
(右)下村観山《杉に栗鼠》 明治 40-45(1907-1912)年頃 後期展示
2.人気の西洋画コレクションからルノワール、モディリアーニ、ピカソらによる肖像画をご紹介
同展では動物をモティーフとした作品を展示いたしますが、ヒトも動物の一種ということで、「ヒトが描いたヒト」というテーマで、館蔵品の中でも人気の高い西洋画コレクションより肖像画作品を一挙ご紹介します。ルノワールやピカソ、モディリアーニ、ローランサン、キスリング、ドンゲンなど、19世紀末から20世紀にかけて活躍した作家たちによる独自の魅力を放つ人物画を楽しんでください。

(左)ピエール=オーギュスト・ルノワール 《リュシアン・ドーデの肖像》 1879 年 後期展示
(中央)アメデオ・モディリアーニ 《若い女の胸像(マーサ嬢)》 1916-17年頃
(右)マリー・ローランサン 《若い女》 1937年
展示構成
![]() 《ホルス》 エジプト 末期王朝時代 第26王朝紀元前 664-紀元前 525年頃 【展示室 1】古代エジプト 神様になった動物たち |
![]() 《三彩馬》中国 唐時代 【展示室 4】世界の動物さんたち大集合 |
【展示室 5】動物と人 描かれた動物たち 長い歴史の中で人は、他の動物たちと関係をむすび生きてきました。猫や犬、鳥、 猿、牛など、様々な関わり方で人間の生活のそばにいる動物たちを描いた絵を展示します。 ![]() 菊池契月 |
![]() アンリ=エドモン・クロッス 《遊ぶ母と子》 1897-1898年 【展示室 6】ヒトが描いたヒト 近代西洋の肖像 |
トピック
近代日本画の巨匠 大観と観山による動物画

横山大観《木菟》 大正 15(1926)年頃 後期展示
同展では近代の東京画壇で双璧を成した横山大観と下村観山が描いた動物画を出品します。一点目は大観が描いたミミズク。竹林の一木にひっそりと止まり、両目を金色に輝かせながら、特徴的な耳羽をそばだてています。金色の瞳以 外は青墨の濃淡によりふっくらと描き、重なり合う竹を軽やかな筆さばきと墨の濃淡の変化で巧みに表現しています。大観は大正 10(1921) 年頃、中国 明時代の青墨の名品を入手しました。この墨色の素晴らしさを大変気に入り、骨董的価値のある貴重な墨でしたが、惜し気なく絵画制作に用いました。その後も大観は古墨を蒐集し、作品を描きました。本作に用いた青墨もそうした古墨によるものかもしれません。
二点目は観山が描いたリス。リスは《大原御幸》(東京国立近代美術館蔵)や《小倉山》(横浜美術館蔵)などの観山作品にも登場しています。どれもシマリスのようです。本作では、真っ直ぐな杉が生える秋の林間で、リスが木の実を頬張る様子が描かれます。全体に輪郭線を描かない洋画の技法を取り入れつつ、樹皮にまとわりつく蔦 や地面に広がる下草にはたらしこみのぼかしを使い、洋画と伝統的な日本画の技法を調和させています。リスの身体は、淡くぼかしを入れた茶色を下地に、細かな毛を一本ずつ丹念に描き入れ、ふんわりとした柔らかな風合いを巧みに表現しています。
■展覧会名/企画展 開館50周年記念 おいでよ! 松岡動物園
■会期/6月17日(火)〜 10月13日(月・祝)
[前期]2025年6月17日(火)〜8月17日(日)[後期]2025年8月19日(火)〜10月13日(月・祝)
※前期・後期で絵画作品の一部展示替えあり
■会場/松岡美術館 (東京都港区白金台5-12-6)
■開館時間/10時~17時(最終入館時間16時30分)
■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
■入館料/一般 1,400円、25歳以下 700円、高校生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方と介助者(1名迄)各種料金の半額
■企画担当/山口翼
■アクセス/東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」1番出口から徒歩7分、JR「目黒駅」東口から徒歩15分
★こちらの観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切6/2(月)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。
更新日:2025年5月21日(水)