
ポール・セザンヌ「登り道」1867年、永青文庫蔵
およそ100年前に細川護立がパリで自ら求め、
永青文庫に唯一残るセザンヌを展示します。
永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ)(1883~1970)は、白隠(はくいん)・仙厓(せんがい)などの禅画、刀剣、近代絵画、東洋美術などを幅広く蒐集し、「美術の殿様」とも呼ばれました。本展で久しぶりに公開するポール・セザンヌ(1839~1906)の水彩画「登り道」は、文芸雑誌『白樺(しらかば)』に掲載されたのち、大正15年(1926)にヨーロッパ滞在中の護立がパリで自ら購入した思い出の作品です。1874年の第1回印象派展以前に描かれたセザンヌの初期作であり、日本にもたらされた最初期のセザンヌと考えられています。この「登り道」について、護立は後に「私がもっとも大切にしているもの」と語っています。 また護立は、学習院の同級生であった武者小路実篤(むしゃこうじさねあつ)(1885~1976)らとの交友から『白樺』の活動を支援するほか、梅原龍三郎(うめはらりゅうざぶろう)(1888~1986)や安井曾太郎(やすいそうたろう)(1888~1955)など同時代の芸術家とも親交を結びました。永青文庫に残る書簡や逸話からは、彼らの親密な交友が見て取れます。本展では、そうした芸術家との交流によって細川家に集った洋画を中心に、永青文庫の近代絵画コレクションの一面をご紹介します。

(左)永青文庫外観(右)細川護立(もりたつ)と妻・博子(かねこ)
■本展のみどころ
1. 14年ぶりにポール・セザンヌの水彩画「登り道」(1867年)を公開。セザンヌ28歳の初期作です。
2.「登り道」は、細川護立が97年前(1926年)にパリで自ら購入し、日本にもたらされた最初期のセザンヌです。護立のパリでの写真や思い出の品も合わせて展示します。
3. 梅原龍三郎・安井曾太郎の油彩やデッサンのほか、これまであまり公開する機会のなかった藤島武二、須田国太郎、奥村土牛などの作品も展示します。
■主な展示作品

(左上)安井曾太郎「承徳の喇嘛廟」昭和12年(1937)、永青文庫蔵
(右上)藤島武二「婦人像」永青文庫蔵
(左下)安井曾太郎「座像デッサン」昭和4年(1929)頃、永青文庫蔵
(右下)安井曾太郎「清晏舫」永青文庫蔵
■展覧会名/「細川護立の愛した画家たち
―ポール・セザンヌ 梅原龍三郎 安井曾太郎―」
■会期/7月29日(土)~9月24日(日)
■会場/永青文庫
■入館料/一般:1000円、シニア(70歳以上):800円、大学・高校生:500円
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
■開館時間/10時~16時30分 (入館は16時まで)
■休館日/月曜日(ただし9月18日は開館し、9月19日は休館)
※状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合があります。最新の情報はTwitterで確認を。
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★申込み締切 8/18(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます
更新日:2023年8月2日(水)