
安らぎと自由の追求
忙しない俗世を離れ、清雅な地での隠遁生活を送りたいと願うのは、超高速の情報が飛び交う現代社会に生きる私達ばかりではありません。むかしの人たちも政治や社会のしがらみから逃れ、清廉な生活にあこがれたがために、自ら娯しみ遊戯の精神を忘れず、自由を希求する「自娯遊戯」の世界を描いた絵画や工芸品を求めたりしました。そのために、東洋の山水画には、生き方の理想や文学的なテーマが隠されていることが少なくありません。そこには、田舎暮らしのスローライフを求める「楽しい」隠遁から、厳しい現実を積極的に切り抜ける「過激な」隠遁まで、実に多種多様な隠遁スタイルが見いだせます。本展は、理想の隠遁空間をイメージした山水・風景や、彼らが慕った中国の隠者たちの姿を描いた絵画作品とともに、清閑な暮らしの中で愛玩されたであろう細緻な文房具なども併せて展示いたします。中国の士大夫や日本の文人たちが抱いたマインドフルネス(安寧な心理状態)に触れることで、暮らしを楽しむ生の充実の一助となれば幸いです。
《展示構成》(予定)
§1 : 自由へのあこがれ「隠遁思想と隠者たち」

(左)橋本雅邦《許由図》明治33年(1900)泉屋博古館東京
(中央)伝仇英《林間人物図(陶淵明図)》中国・明時代泉屋博古館
(右)森寛斎《陶淵明像》明治4年(1871)泉屋博古館東京
§2 : 理想世界のイメージ

(左)田能村竹田《梅渓閑居図》文政10年(1827)泉屋博古館
(右)田能村竹田《梅渓閑居図》(部分)文政10年(1827)泉屋博古館
§3 : 楽しい隠遁―清閑の暮らし

(左)伝周文《山水図》重要美術品室町時代(15-16世紀)泉屋博古館
(中央)長吉《観瀑図》室町時代(16世紀)泉屋博古館
(右)岸田劉生《塘芽帖》昭和3年(1928)頃泉屋博古館東京
§4 : 時に文雅を楽しむ交遊
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■展覧会名/企画展 楽しい隠遁生活 文人たちのマインドフルネス
■会期/9月2日(土)〜10月15日(日)
■会場/泉屋博古館東京(東京・六本木)
(〒106-0032
東京都港区六本木1丁目5番地1号)
■開館時間/11時〜18時 ※最終入館は午後17時30分まで
*金曜日は19時まで開館(入館は18時30分まで)
■休館日/月曜日 ※9/18・10/9(月・祝)は開館、翌9/19・10/10 (火)休館
■観覧料/一般1,000円 高大生600円 中学生以下無料
■主催/公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社
■お問い合わせ/050-5541-8600(ハローダイヤル)
■アクセス/
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車
北改札正面 泉ガーデン1F出口より屋外エスカレーターで徒歩3分
東京メトロ日比谷線「神谷町」駅下車 4b出口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅下車 13番出口より徒歩10分
★こちらの観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切 8/18(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。
泉屋博古館東京|企画展 楽しい隠遁生活 文人たちのマインドフルネス
更新日:2023年8月2日(水)