新着

【特集】令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念
「永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―」【応募〆切10/24】

令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念_永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―
永青文庫は、秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念「永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」を2025年10月4日(土)から11月30日(日)まで開催します。
永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ、1883~1970)は、同時代の日本画家たちにいち早く注目し、彼らの作品を積極的に蒐集しました。同館に伝わる護立の近代日本画コレクションのなかでも、36歳の若さで夭折した菱田春草(1874〜1911)の「黒き猫」(重要文化財)は、不動の人気を誇る作品です。墨のぼかしによって、思わず触ってみたくなるような、猫の柔らかな毛並みを見事に表現しており、明治43年(1910)の第4回文展に発表した当初から高く評価されました。
この度、クラウドファンディングでの支援と、国・東京都・文京区からの補助により、初めて本作の本格的修理が行われました。修理完成を記念した同展では、「黒き猫」や「落葉」(重要文化財)など同館が所蔵する春草作品全4点を前・後期に分けて公開するほか、横山大観、下村観山、鏑木清方といった近代日本を代表する画家たちの優品を一堂に展覧します。あわせて、護立との交流を示す作品や資料、貴重な画稿も紹介。さらに特別展示として、中国の禅僧・清拙正澄(せいせつしょうちょう)と楚石梵琦(そせきぼんき)による墨蹟2点(いずれも重要文化財)を修理後初公開します。今秋は永青文庫で、近代日本画と中国墨蹟の粋を堪能してください。

令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念_永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―

重要文化財 菱田春草「黒き猫」 明治43年(1910) 永青文庫蔵 ※前期展示

重要文化財「黒き猫」とは

菱田春草が明治43年(1910)の第4回文展に出品した作品。柏の葉が金泥を用いて平面的に描かれるのに対し、猫は墨のぼかしによって柔らかな毛並みまで表現されているのが特徴です。その装飾性と写実性の調和が発表当時から高く評価され、春草晩年の代表作の一つと位置付けられています。この作品を真っ先に入手したのは、春草と親交が深かったパトロン・秋元洒汀(あきもとしゃてい、1869~1945)。発表前に売約済みであったといわれています。その後、大正期に入り洒汀から細川護立の手に渡りました。
※「黒き猫」は、前期〈10/4(土)~11/3(月・祝)〉展示。
 後期〈11/7(金)~11/30(日)〉には、春草晩年のもう一つの代表作「落葉」(重要文化財)を展示します。

菱田春草(ひしだしゅんそう、1874~1911)

現・長野県飯田市生まれ。明治23年(1890)東京美術学校に入学。卒業後は同校の教員となるも、校長の岡倉天心に従って職を辞し、日本美術院創立に参加。明治30年代には横山大観とともに没線描法を試みますが、「朦朧体」と酷評されました。明治39年(1906)日本美術院の移転に伴い、大観、下村観山らと五浦へ一家で移住。明治40年(1907)第1回文展に「賢首菩薩(けんしゅぼさつ)」を出品し、二等賞第三席を獲得しました。この頃から眼病の兆候があらわれ始め、腎臓炎が原因の網膜炎と診断されます。明治41年(1908)治療のため代々木へ転居。病状が快方へ向かい、明治42年(1909)の第3回文展に「落葉」を出品して新境地を示します。翌年の第4回文展に「黒き猫」を発表して好評を博しますが、明治44年(1911)持病が悪化し36歳の若さで亡くなりました。

令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念_永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―

(上段)
重要文化財 菱田春草「落葉」明治42年(1909) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※後期展示
(中段左から)
菱田春草 「六歌仙」明治32年(1899) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託) ※前期展示
菱田春草 「平重盛」 明治27年(1894)頃 永青文庫蔵 ※前期展示
(下段)
横山大観「柿紅葉」大正9年(1920) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※前期展示

令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念_永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―

(左から)
下村観山 「春日の朝」 明治42年(1909)頃 永青文庫蔵 ※前期展示
木村武山 「祇王祇女」 明治41年(1908) 永青文庫蔵 ※後期展示
重要文化財 清拙正澄墨蹟「与鉗大冶蔵主法語」 中国・元時代(14世紀) 永青文庫蔵 ※後期展示
重要文化財 楚石梵琦墨蹟「無我省吾心華室銘至正丙午秋九月」 中国・元時代、至正26年(1366) 永青文庫蔵 ※後期展示

■展覧会名/重要文化財「黒き猫」修理完成記念「永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」
■会期/2025年10月4日(土)〜11月30日(日)
[前期]2025年10月4日(土)〜11月3日(月・祝)
[後期]2025年11月7日(金)〜11月30日(日)
■会場/永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1)
■開館時間/10時~16時30分(入館は16時まで)
※状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合があります。
※事前予約は必要ありませんが、混雑時は待ち時間がある場合があります。
■休館日/毎週月曜日(ただし10/13・11/3・11/24は開館)、10/14(火)、11/4(火)、11/5(水)、11/6(木)、11/25(火)
■入館料/一 般:1000円、シニア(70歳以上):800円、大学・高校生:500円
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
■問合せ/03-3941-0850
■主催/永青文庫
■特別協力/熊本県立美術館、ホテル椿山荘東京
■交通案内/《バス》JR目白駅(「目白駅前」バス停)・副都心線雑司が谷駅 出口3(「鬼子母神前」バス停)より、都営バス「白61 新宿駅西口」行きにて「目白台三丁目」下車徒歩5分
《都電》都電荒川線早稲田駅より徒歩10分
《地下鉄》有楽町線江戸川橋駅(出口1a)より徒歩15分/東西線早稲田駅(出口3a)より徒歩15分
《ドコモ・バイクシェア》E2-14. 永青文庫

★こちらの無料観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切 10/24(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます


更新日:2025年10月1日(水)