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【特集】カナレットとヴェネツィアの輝き【応募〆切11/4】

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

18世紀、ヴェドゥータの目匠日本初の展覧会

ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会です。 スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など 約60点で構成します。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承しヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせてご紹介します。

Chapter1 カナレット以前のヴェネツィア
Venice before Canaletto

第1章では、カナレットに先立つ都市のイメージ、および18世紀当時のヴェネツィアを伝える作品をご紹介する。ヴェネツィアにおける都市を描く伝統自体は15世紀にまで遡り、物語画の背景や鳥瞰図として、現実の都市空間が遠近法を用いて地誌的に正確に再現されるようになった。しかし16世紀末以降 、ヴェネツィアに都市景観を描く画家は育た ず、北方からやってきた画家たちが描いたラグーナ(潟)の景観がのちのヴェドゥータ発展の土壌となった。一方、時代を代表する世紀最大の画家はジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロである。18世紀のヴェネツィアでは新興貴族らが競って邸館の増改築を行い、その壁面をティエポロのフレスコ画が華麗に彩った。

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

ネーデルラントの画家 《ラグーナから見たヴェネツィア全景》1580-1600年頃 クライスト・チャーチ絵画館、オックスフォード
By permission of the Governing Body of Christ Church, Oxford

Chapter2 カナレットのベドゥータ
Canaletto’s Vedute

18世紀 、ジョゼフ・スミスをはじめとする英国人パトロンに恵まれたカナレットの作品は、ヴェネツィアを訪れた英国のグランド・ツアー客にとりわけ人気を博し、旅の記念としてこぞって求められた。第2章では主に英国所蔵の作品からカナレットの業績をご紹介する。カナレットがヴェドゥータを描き始めたのは1719年頃からとされ、当初は光と影の効果を重視した雰囲気の描写が特徴的であった。それが次第に、すっきりと澄んだ空に、定型的な水の波紋、定規を用いて堅固に描かれた建物といった画風が定着していく。画面のあちらこちらに様々な仕草の人物が描きこまれるのもその特徴である。ヴェネツィ アに生まれヴェネツィアに没したカナレットの描く、整然とした街並み、輝く水面、華やかな祝祭の情景は、同地の典型的イメージとして定着するほど絶大な人気を博した。

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

(左上)カナレット《サン・ヴィオ広場から見たカナル・グランデ》1730年以降 スコットランド国立美術館
©National Galleries of Scotland
(左下)カナレット《カナル・グランデのレガッタ》1730-1739年頃 ボウズ美術館、ダラム
The Bowes Museum, Barnard Castle, Co. Durham, England
(中央上)カナレット《サン・マルコ広場》1732-1733年頃 東京富士美術館
©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
(中央下)カナレット《昇天祭、モーロ河岸に戻るブチントーロ》1738-1742年頃
レスター伯爵およびホウカム・エステート管理委員会、ノーフォーク
The Earl of Leicester and the Trustees of the Holkham Estate
(右上)カナレット《ロンドン、ラネラーのロトンダ内部》1751年頃
コンプトン・ヴァー二ー、ウォリックシャー
©Compton Verney / Bridgeman Images
(右下)カナレット《昇天祭、モーロ河岸のブチントーロ》1760年 ダリッジ美術館、ロンドン
Dulwich Picture Gallery, London

Chapter3 カナレットの版画と素描─ 創造の周辺
Canaletto’s Etchings and Drawings — Around the Creative Process

第3章では、版画や素描を通してカナレットの創造の過程をたどる。見本帳としての性格を有した『ヴェネツィアのカ ナル・グランデ(大運河)の景観』は、カナレットの原画を基に彫版された作品集であり、カナレット作品を英国人顧客 に仲介したパトロン、ジョゼフ・スミスの出資により刊行されたもの。一方でカナレット自らが彫版も手掛けた版画作品は、職人的精緻さの前者に比して自由な筆致が光る。カナレット自身のメモが書き込まれた準備素描や、それ自体で完結した入念な素描には、それぞれ意図の異なる画家の手の跡が見える。また、カメラ・オブスキュラを用いた迫真的描写は当時の人々を魅了したが、本章ではこの光学機器もご紹介し、カナレットの創作の秘密に迫る。

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

(左)カナレット 《ドーロ風景》1744年以降に刊行 スコットランド国立美術館
©National Galleries of Scotland
(右)カナレット《サン・マルコ広場でのコメディア・デラルテの上演》
1755-1757年? ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、ロンドン
© Victoria and Albert Museum, London.

Chapter4 同時代の画家たち、後継者たち─カナレットに連なる系譜の展開
Canaletto’s Contemporaries and Successors — The Artistic Genealogy from Canaletto

第4章では、カナレットの影響を受けた18世紀のヴェネツィアの画家たちと英国の後継者たちの作品をご紹介する。同時代のマリエスキやグアルディらの作品は、グランド・ツアーでヴェネツィアを訪れた人々によって購入され、 高い人気を得た。地誌的に正確に描かれたベドゥータ、想像力を駆使し構成された架空の景観画カプリッチョ (綺想画)、いずれもカナレットの影響のもと異なるアプローチによって数多の作品が制作されていく。カナレットの甥であるべロットはヴェネツィア国外で各都市のベドゥータを数多く制作し、このジャンルを広くヨーロッパに普及させた。また、カナレットの約10年間におよぶ英国滞在によって生まれた英国在住画家たちによるベドゥータは、その影響力の大きさと同時にカナレットの独自性をも浮き彫りにするものである。

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

(左上)ベルナルド・ベロット《ルッカ、サン・マルティーノ広場》1742-1746年
ヨーク・ミュージアム・トラスト(ヨーク美術館)
York Museum Trust(York Art Gallery).Presented by F.D.Lycett Green through The Art Fund,1955.
(左下)フランチェスコ・グアルディ《小さな広場と建物のあるカプリッチョ》1759年 東京富士美術館
©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
(右)ウィリアム・マーロー《カプリッチョ:セント・ポール大聖堂とヴェネツィアの運河》1795年頃? テート Photo: Tate

Chapter5 カナレットの遺産
Canaletto’s Legacy

最終章では、風景画の世紀とも言える19世紀の英仏の画家たちに焦点を当て、カナレット以後のヴェネツィアの表象の変遷をたどる。カナレットが定着させたヴェネツィアの典型的な「絵になる」イメージは19世紀後半になっても描かれ続けたが、一方で風俗画的要素や、大気や光に対する感覚などが画面に現れ始めた。同時にロマン主義的思潮を背景に裏町や狭い水路などヴェネツィアの「裏」の顔を切り取る画家も登場する。また、印象派世代の画家たちが描いた画面には、水の都が保持する幻想的なイメージが増幅されている様を見て取ることができるだろう。画家たちの都市景観に対する地誌的関心は次第に薄れ、近代的感覚で新たなヴェネツィア像が19世紀を通じて生み出されていった。

カナレットとヴェネツィアの輝き_SOMPO美術館

(左)ウィリアム・エティ《溜息橋》1833-1835年 ヨーク・ミュージアム・トラスト(ヨーク美術館)
York Museum Trust(York Art Gallery)
(中央)ウジェーヌ・ブーダン《カナル・グランデ、ヴェネツィア》1895年 東京富士美術館
©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
(左)クロード・モネ 《パラッツォ・ダーリオ、ヴェネツィア》1908年 ウェールズ国立美術館、カーディフ
©Amgueddfa Cymru-Museum Wales

■展覧会名/カナレットとヴェネツィアの輝き
■会期/10月12日(土)〜12月28日(土)
■会場/SOMPO美術館
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
■開館時間/10時〜18時(金曜日は20時)※最終入館は17時30分まで
■休館日/月曜日 ※ただし4月29日、5月6日は開館
■観覧料/一般1,800円、大学生1,200円、高校生以下無料
※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を提示のご本人とその介助者1名は無料、被爆者健康手帳を提示の方はご本人のみ無料
■主催/SOMPO美術館、毎日新聞社、スコットランド国立美術館
■特別協賛/SOMPOホールディングス
■協賛/DNP大日本印刷
■特別協力/損保ジャパン
■協力/日本航空、日本貨物航空、箱根ガラスの森美術館、ITAエアウェイズ
■後援/駐日イタリア大使館、ブリティッシュ・カウンシル、新宿区、TOKYO MX、J-WAVE
■ホームページ/https://www.sompo-museum.org/
■お問合せ/050-5541-8600(ハローダイヤル)
■アクセス/新宿駅西口より徒歩5分

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★申込み締切 11/4(月)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。


更新日:2024年10月16日(水)