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【特集】アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界【申込〆切12/1】

アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世_松岡美術館
2023年10月24日(火)〜2024年2月11日(日・祝)
松岡美術館

松岡美術館は実業家 松岡清次郎が蒐集した美術品を公開するため、1975(昭和50)年に設立された私立美術館です。1917(大正6)年貿易商から身を起こした清次郎の理想は、自らの眼にかなった「美しいもの」を追い求め、蒐めていくことでした。今回は、清次郎が東洋陶磁蒐集のため欧米のオークションに参加するうちにコレクションした、北斉〜唐時代の小金銅仏や明〜清時代の漆器、陶磁器、絵画、清時代の翡翠や白玉などの玉器が展観されます。

本展の見どころ

明清絵画の精華、清時代の仿古を映す玉器、人気の天球瓶

昨年、広く紹介した館蔵の明清絵画より、今回はとくに板倉聖哲(まさあき)東京大学東洋文化研究所教授による監修のもと画冊と画巻の優品を選りすぐり、前期に明代、後期に清代の作品を展観します。前回かなわなかった題字や跋文も可能な限り展観し、明清時代の画家と文化人との交流も映し出します。
館蔵の清朝玉器の中から、台湾故宮博物院の《翠玉白菜》に通じる超絶技巧を堪能できる《翡翠白菜形花瓶》とともに、古代中国の青銅器にあらわされた饕餮(とうてつ)文や虁鳳(きほう)文を彫り込んだ作品を集め、清時代に高まった仿古の潮流の一端が味わえます。玉器の多くが再開以後初公開で、22年ぶりの展示作品もあります。

また、同館の代表作品《青花龍唐草文天球瓶》を、多くの要望の声に応えて再び展示。世界に数点しか存在しない明時代初期の名品を、今一度ゆっくり鑑賞できます。

(左)翡翠虁鳳文瓶 清時代 「乾隆年製」銘 (右)青花龍唐草文天球瓶 景徳鎮窯 明時代 永楽期

清朝の超絶技巧「翡翠白菜形花瓶」

高さ26.7㎝というほぼ実物大の白菜が翡翠で作られています。黄変した葉先が自然に開く様子は原石の色合いを活かして表現され、さらに目を引くのは葉先にとまる4匹のキリギリスたちの、長くのびる触角と脚部の繊細な造形です。古くより中国では玉(ぎょく)、とりわけ翡翠が貴ばれてきました。18世紀、清の乾隆帝の治世に至り、新疆(しんきょう)の和田(ホータン)玉に加えてミャンマーから良質な翡翠を大量に入手したことから、宮廷用品の官営工房である造辨処(ぞうべんしょ)をはじめ、蘇州や楊州でも優れた玉器が作られ、とくに室内調度品としての琢玉(たくぎょく)工芸がとみに盛んになりました。硬玉である翡翠を精緻に細工するには高度な技術と長い時間を要しますが、玉器工芸の最盛期を迎えた清朝の乾隆~嘉慶時代に超絶技巧といえる逸品が次々と製作されました。

(左)翡翠白菜形花瓶 清時代 (右)翡翠白菜形花瓶 キリギリス 清時代

明時代を代表する文人画家
沈周(しんしゅう)・文徴明(ぶんちょうめい)・唐寅(とういん)の交わり

当時の蘇州は市場経済の発展とともに文化・芸術が栄え、優れた文人画家が集い、豊かな市民がかれらの作品を蒐集しました。絵の注文主とみられる蔡家の天絵樓近く、蓮花の咲く水辺に描き込まれた三人が、舟遊しようとする沈周・唐寅・文徴明とみられ、文人画家たちとコレクターとの交流の一端が書画にうかがえる作品です。

(上)沈周《縹緲峰(ひょうびょうほう)図巻》一巻 明時代 弘治 17(1504)年 紙本
(左下)周《縹緲峰図巻》(部分)岸辺に集う三人の文人画家 沈周・文徴明・唐寅
(中央)烏頭尾精《上居への道》昭和 56(1981)年 第8回創画展 紙本着色 162×227
(右下)吉崎道治《雪の終着駅》昭和 59(1984)年 第46回一水会展油彩・カンヴァス 97×162

巨匠たちの、若かりし頃の無垢な作品も

当館の《上居(じょうご)への道》は烏頭尾が風景の中に鳥を描いた最後の作品であり、以降は純然たる風景が主体となる転換期の作品です。両親の眠る丘の上空を飛ぶ鳥に、残された家族 3 人の想いを託したものといいます。また、日展や一水会で活躍する吉崎道治は今年 90 歳。彼が 1984(昭和 59)年に描いた《雪の終着駅》の舞台は只見線会津塩沢駅で、雪に埋もれゆく線路やポイント、保線小屋をモチーフに、グレーにかすむ雪景色をとらえています。ビーチパラソルの下に吹き込む雪が画面に氷着する困難な状況で描いた原画をもとに、優しい色づかいで、どこかメルヘンチックな詩情あふれる風景を描き出しました。さらに、独立美術協会の重鎮 今井信吾によるコンクリートの箱のような人間空間や、中島千波の院展時代の作品からは、制作への意気込みや挑戦を感じとることができるでしょう。

【同時開催】 昭和の日本画と洋画 松岡翁(1894-1989) 晩年の眼力

(左)今井 信吾《コンクリートボックス・内なる風景》昭和49(1974)年 第42回独立展
アクリル絵具・カンヴァス 218×253.7
(右)北村真《砂の音 No.5》昭和 60(1985)年 第 39 回二紀展 油彩・カンヴァス 181.8×227.3

《通年企画》古代オリエント 創造の源

(左)横たわる女人像 紀元前 5600 年頃 トルコ
(中央)王の定礎釘 紀元前 2050-紀元前 1950 年頃イラク
(右)ヴァイオリン型偶像 紀元前 3200-紀元前 2700 年頃 伝 ギリシア アモルゴス島

■展覧会名/アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界
同時開催 昭和の日本画と洋画 松岡翁(1894-1989)晩年の眼力
《通年企画》古代オリエント 創造の源
■会期/10月24日(火)〜2024年2月11日(日・祝)
[前期]2023年10月24日(火)〜2023年12月10日(日)
[後期]2023年12月12日(火)〜2024年2月11日(日・祝)
※企画展の中国絵画のみ作品入れ替えあり
■会場/松岡美術館 (東京都港区白金台5-12-6)
■開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで)
※毎月第1金曜日 10時~19時(入館は18時30分まで)
■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(2023年12月29日(金)〜2024年1月4日(木))
■入館料/一般 1,200円、25 歳以下 500円  高校生以下、障がい者手帳をお持ちの方無料
■企画担当/企画展:寺島いずみ 同時開催:安斎明子 通年企画:山口翼
■アクセス/東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」1番出口から徒歩7分
JR「目黒駅」東口から徒歩15分

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★申込み締切 12/1(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

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松岡美術館|アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界

更新日:2023年11月15日(水)