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Origin & Next Story LADY TOKYO INTERVIEW |テーマ|芸 術

松山バレエ団_森下 洋子

撮影:山岸伸

〜舞踊歴75年のプリマ・バレリーナ〜
感動を届けるために、身体と心、魂を磨き続ける

松山バレエ団 森下 洋子
1948年広島生まれ。3歳よりバレエを始め71年松山バレエ団入団。1974年ヴァルナ国際バレエコンクールで日本人初の金賞を受賞するなど国際的にも活躍。

バレエとの出会いから75年、今もなお、主役として舞台に立ち続ける森下洋子さん。パリオペラ座の舞台に日本人として初めて出演するなど、日本バレエ界の道を切り拓いてきた第一人者でもあります。今回はこれまで歩んできた道のりと、今の想いについてお話を伺いました。

踊ることは生きること呼吸と同じくらい自然なこと
3歳でバレエに出会い、今年で75年目を迎える森下さん。今もなお主役を務め、第一線で踊り続けています。バレエ団の休みは月に2、3回。そのわずかな休日も家でストレッチをするなど、完全にバレエから離れる日は1日もないと言います。「毎日、次の日に稽古ができるよう身体を整えることを何よりも大切にしています」その言葉からもバレエがすべてと言う森下さんの生き方が滲み出ます。そして「大好きなバレエをこんなに長く続けていられることをとても幸せに思っている」と語ります。

「何のために踊るのか」大切な本質に気づかせてくれた清水さんに感謝
松山バレエ団総代表で演出・振付家の清水哲太郎さんは夫でもあり、戦友・同志のような存在。清水さんと1969年に初めて一緒に踊ったとき、「何のために踊るのか」と問われ、すぐに答えられなかった森下さん。それ以来、その問いは常に心にありました。そんな中、海外の舞台に立つときに、広島出身であることを強く意識することがありました。海外の多くの人が「ヒロシマ」をよく知っていたのです。森下さんの祖母は広島で被爆し大きな火傷を負いましたが、愚痴を言わず常に明るく前向きに生きた人。その祖母の姿を見て育った森下さんはやがて「バレエを通じてあたたかい愛や夢・希望を届けることで、平和や命を慈しむ社会への一助となれたら」と踊る意味を見出します。

人間精神の美しさを表現したい
「バレエは技術も大切ですが、それだけで心深い感動を届けることはできません」と森下さん。「クラシックバレエの主役が表現するのは、人間精神の輝きそのもの」と語ります。『ジゼル』の慈悲と無性の愛、『シンデレラ』のどんな環境でも美しく生きる姿勢、『くるみ割り人形 クララ』の純粋な心など。そうした役を踊るために森下さんは「その輝きに近づけるよう、毎日、1年生に戻って稽古をし、心、魂を磨いていければと思います」と信念を話してくれました。

バレエに終わりはない、新しい発見がある
長いバレエ人生を歩んできた森下さんは今なお新しい発見があると言います。今取り組んでいる『くるみ割り人形』の稽古でも、今まで気が付かなかった美しい音に気付くことがあるとか。また、「今だから表現できる少女の輝きもあるし、どんどん無駄なものがそぎ落とされていく感覚もあります」とも。舞台ですべてを出し尽くすために稽古を重ねるという森下さん。明るく前向きな性格とひたむきさを原動力に、これからも仲間たちと共に感動に満ちた舞台を創り出していくことでしょう。
松山バレエ団_森下 洋子

11月より公演開始【チケット発売中】
「くるみ割り人形」 全幕/スペシャルバージョン
松山バレエ団/松山バレエ学校
〒107-0062 東京都港区南青山3-10-16(東京メトロ「表参道」駅A4出口から徒歩約6分)
問合せ/TEL.03-3408-6640(受付時間/10時~18時)


更新日2026年10月7日(水)