80’s東京シティポップのシンデレラ・ストーリー
中古レコード店によって発掘された
42年前のプライベート・プレス音源が奇跡の再販!
〈ストーリー〉
■ 1980年に製作された卒業記念的なアルバム
1979年の冬、都内に住む音楽好きの幼馴染7人が、社会人になる前の記念にアルバムを作ろうと集まりました。メンバーは、学生時代に海や山に遊びに行ったり、クリスマスパーティーなどで盛り上がっていた気心の知れた仲間。それぞれ何らかの音楽活動をしていたものの、このメンバーでバンドを組んだことはなく、アルバム制作のためだけに集まったのでした。1980年3月にレコーディングが始まりますが、当時は学生でスタジオを借りるお金もなく、中心メンバーの三浦文夫氏の自宅の7畳の部屋に楽器を持ち込んでの録音でした。就職を前に慌ただしく2週間で作り上げたアルバムは、ユニット名をPresents、アルバムタイトルは「Feeling Like A Child」にしようと決まりました。当初100枚、追加で100枚プレスされたアルバムは、友人知人に配られただけで一般に流通することもなく、42年の眠りについたのです。
■2022年に突然起きた奇跡
2022年3月、三浦氏のもとにHMV record shopから「Feeling Like A Child」をアナログレコードとして再発したいというメッセージが届きました。何しろ42年前に作ったレコードの話。はじめは狐につままれたような感じだったといいますが、やりとりをする中でリアルな話だとわかり、メンバーに連絡を取って話を進めることに。悲しいことに、ブルース好きでセンスの良いギター、ヴォーカルの中村清明氏は49歳の若さで亡くなっています。三浦文夫氏はそれから傷んでいた8ch1/2インチマルチテープを苦労して再生、最新技術でリマスターし、デジタル対応できる音源に蘇らせました。解説は栗本斉氏、新しいジャケットは当時のシティ・ポップの雰囲気そのものの永井博氏のイラストにより一新されました。
■シュガーベイブを彷彿とさせるサウンド 南佳孝氏も絶賛のアルバム
こうして蘇った「Feeling Like A Child 」は、シティ・ポップが注目されている今、私たちの耳に新鮮に響きます。南佳孝氏(ミュージシャン)は「音楽の感度もセンスも良い。探せばこういう人たちがいたんだね、素晴らしい! 今と違って何もない時代にここまで宅録でやったとは驚き!」と絶賛。栗本斉氏(旅&音楽ライター/選曲家)は解説の中で「よくまあ、こんな作品が埋もれていたものだ。タイトでグルーヴィーな演奏とポップなメロディ、楽曲によって入れ替わるヴォーカルが織りなすスタイリッシュなナンバーは42年後に聴かれるために作られたとしか思えない。1980年産の極上ポップス。新たにジャパニーズ・ポップス史に刻まれることになったPresentsの傑作を、じっくり堪能していただきたい」と評価しています。
42年の時を経て蘇った80年代シティ・ポップをあなたもぜひ聴いてみませんか。
●「Feeling Like A Child / Presents」オフィシャルサイト
更新日:2022年11月3日(木)