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【特集】日本のたてもの ー自然素材を生かす伝統の技と知恵

松本城天守 1/20模型 1963年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館

日本の伝統建築は、木・草・土・石など多様な自然素材を優れた造形物へと昇華させたものと言えます。本展は、日本の建築を、高い美意識と加工技術を際立たせて縮小表現した建築模型、図面、道具など貴重な資料の展示を通して、自然素材を活かした造形的な特徴を古代から現代にいたるまで見ていきます。また日本の伝統建築の技は、「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」として、ユネスコ政府間委員会(無形文化遺産保護条約政府間委員会)にて、ユネスコ無形文化遺産として審議・決定が行われる見通しとなっています。法隆寺国宝修理事業の一環として金堂および五重塔の模型を製作したことを契機に1960年から国の「模造事業」が始まり、1964年の東京五輪に併せて開催された「日本古美術展」にも日本建築の様式を伝えるものとして模型が出展されました。

本展では、それに加え、原建物が国宝・重要文化財である模型を核として、これまで一般に公開されることのなかった貴重な建築模型などを一堂に集めて展示します。近世までの模型は、修理や復原の設計内容を検討するためであったり、国内で新たな様式を伝達するために製作されていました。近代の模型になると、万博など国外への日本の建築文化を紹介するためや、意匠構造を理解するための教材であったり、修復によって得られた知見を記録、再現するために製作されるようになりました。

展示では、建築物の細部(柱や梁を組み上げて屋根を支える木組や建具など)や自然素材の特性(木材、漆喰、瓦などの風合い)を精巧に再現した1/10縮尺模型の展示をはじめ、木造建築を受け継ぐための伝統技術や工匠の技(檜皮・茅・瓦などの屋根葺き、左官、彩色、錺金具、建具、金箔など)についても紹介します。また、現在その維持が困難とされる伝承者養成・技能練磨・原材料や用具の確保など、近年の取組みについても紹介します。

■ 展覧会の特徴 ■

◎古代から現代までの日本を代表する建物の模型や資料を一挙に公開

自然素材を活かす伝承技法と知恵が集結された「建築模型」や貴重な歴史資料である図面などを3つの会場でご覧いただくことで、日本人の暮らしや自然素材を活かした伝統建築の技と知恵が、今もなお受け継がれて、活かされていることを再認識していただけます。

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(左)法隆寺五重塔 1/10模型 1932年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
(右)松本城天守 1/20模型 1963年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館

◎建物内部の細部まで再現
東京国立博物館で展示する、近世までの建物の1/10模型には複数に分割できるものもあり、内側の細部まで鑑賞できます。室内の様子や天井裏などを含め、模型の内外に匠の技を発見できます。

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(左)帝国ホテル旧本館 1/200模型 株式会社帝国ホテル蔵 展示会場:国立科学博物館
(右)霞が関ビルディング 1/200模型 国立科学博物館蔵 展示会場:国立科学博物館

◎ユネスコ無形文化遺産の認定を目指す「匠の技」を紹介
2018年にユネスコ無形文化遺産代表一覧記載への提案がなされ、2020年12月にユネスコ政府間委員会で審議・決定される見込みの「伝統建築工匠の技」(17件の国の選定保存技術)を、国立近現代建築資料館にて紹介します。

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(左)岩城庄之丈製図道具 明治時代 滑川市立博物館蔵 展示会場:国立近現代建築資料館
(右)五十九銀行新築正面之図 1900年頃 青森銀行本店蔵 展示会場:国立近現代建築資料館

◎首里城正殿の模型を展示〜首里城復興に向けて
2019年10月に首里城正殿は消失しましたが、その1/10模型が沖縄県から出展され、東京国立博物館にて展示されます。この展示を通じて、首里城復興に思いを馳せていただければ幸いです。

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首里城正殿 1/10模型 1958年 沖縄県立博物館・美術館蔵 展示会場:東京国立博物館

【開催概要】
<古代から近世、日本建築の成り立ち>
■会場/東京国立博物館 表慶館 (東京都台東区上野公園13-9)
■会期/12月24日(木)〜2021年2月21日(日)
■開館時間/9時30分〜17時 ※金曜・土曜日は21時まで開館
■休館日/月曜日、12月26日(土)〜2021年1月1日(金・祝)
※1月11日(月・祝)は開館
■観覧方法/入館はオンラインによる事前予約制です。
詳細は展覧会公式サイトでお知らせします。
■観覧料金/一般1,500円、大学生1,000円、高校生600円
※中学生以下および障がい者とその介護者1名は無料。
ただし、オンラインでの「日時指定券」の予約が必要です。
入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。

<近代の日本、様式と技術の多様性>
■会場/国立科学博物館 日本館1階 企画展示室(東京都台東区上野公園7-20)
■会期/12月8日(火)〜2021年1月11日(月・祝)
■開館時間/9時〜17時 ※金曜・土曜日は18時まで開館
■休館日/月曜日、12月28日(月)〜2021年1月1日(金・祝)
※ただし、1月11日(月・祝)は開館
■観覧方法/入館はオンラインによる事前予約制です。
詳細は国立科学博物館公式サイト等をご覧ください。
■観覧料金/一般・大学生 630円(常設展示入館料)、高校生以下および65歳以上無料
※常設展示入館料のみでご覧いただけます。

<工匠と近代化ー大工技術の継承と展開ー>
■会場/国立近代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
■会期/12月10日(木)〜2021年2月21日(日)
■開館時間/10時〜16時30分
■休館日/12月29日(火)〜2021年1月3日(日)
■入館料/無料

[主催]文化庁、日本芸術文化振興会、東京国立博物館、国立科学博物館、読売新聞社
[特別協賛]キヤノン、JR東日本、日本たばこ産業、三井不動産、三菱地所、 明治ホールディングス
[協賛]清水建設、髙島屋、竹中工務店、三井住友銀行、三菱商事
[協力]国立歴史民俗博物館、金沢工業大学
[問合せ]03(5777)8600(ハローダイヤル)

◎公式サイト→ https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/


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★申込み締切 12/16(水)12:00まで
※当選者の発表は観覧券の発送をもってかえさせていただきます。

更新日:2020年12月2日(水)

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