■■ 第15回 新春に締めたい楽しい帯 ■■
■■ヴィンテージの帯で遊ぶ
新しい年の幕開けですね。今年1年間の健康と幸せを祈願しに初詣に行かれた方も多いのではないでしょうか。さて、松の内は7日までですが、小正月の15日まではまだお正月気分ですし、1月いっぱいは新春ムードが続きます。そんな1月にきものを着るなら、やはりどこかにおめでたい柄を入れたいところです。それも思い切りおめでたい感じにしたい。そんな時に選びたいのがこんなおめでたい柄の帯です。
上の帯はいずれもヴィンテージ。松竹梅に鶴の柄の紅型は、まさにお正月向け。末広がり(扇子)の総柄は、十三詣りの着物を帯に仕立て直したものだそうです。可愛いでしょう。片岡珠子さんの絵のような富士山の塩瀬は、現代にはない感覚。なんて可愛いの! せっかくきものを着るのですから、このくらい遊ぶのが面白いと思うのです。私は、あまり真面目くさった着方ではなく、ちょっとお茶目な着方をしたいので、こういった帯はツボにハマります。しかも、ヴィンテージの帯はお安いのです。きちんとした場所にご挨拶に行くとき以外なら、こういう帯でちょっと遊ぶのもいいですね。
■■帯周りのお洒落
帯周りの小物といえば帯揚げと帯締め。紬を着ることが多い私は、無地の縮緬の帯揚げが好きで何色も持っていますが、同じように無地の帯締めも扱いやすくて好きです。帯締めは上等の組紐だと結構いいお値段ですので、そうそう気軽に購入することができません。その点、無地の帯締めはお値段も手頃な上、ハッキリとした色合が良いアクセントになるのでおすすめです。そうそう、帯締めを使い終わった後は、写真のように房の部分を固定するように結んで保管します。几帳面な方は使う度に房にキャップを付けたり紙で巻いたりしますが、結ぶ方法でも十分房は整います。
また、帯周りのアクセサリーとして、「帯留」や「根付」で季節を遊ぶ方法があります。写真左は帯留。扇子に赤いビーズが付いたものは、お正月にぴったりの天晴れなデザイン。サンゴの瓢箪もおめでたいモチーフなので1月に着けるのにふさわしい帯留です。また、右の写真は、ちょっと季節外れになりますが、ヴィンテージの小物を根付にしたクリスマス向けのもの。年中行事はほとんどが1日限りのものです。例えば、節分向けに鬼などが描かれた帯をあつらえた場合、1年に1日しか締めることができませんが、こんなアクセサリーならチョット帯に挿すだけで1日限りの行事をそのまま装いに取り入れることができます。大人のお遊びという感じで粋ですね。帯留めや根付は、和のテイストでなくても大丈夫。あえて洋物を着ける方がこなれた感じで素敵だと思うので、手持ちのブローチを帯留め代わりに使うのもおすすめです。
(文/レディ東京編集者 中島有里子) ※協力:SUZUKI 03(3872)4450
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更新日:2022年1月5日(水)