きもの

第37回 阿波藍(徳島県)


■ 第37回 阿波藍(徳島県) ■

日本の生活に古くから根付いている藍染め。日本の藍は「JAPAN BLUE」と呼ばれ、その神秘的なブルーの色合いは海外からも称えられています。徳島県北部の吉野川流域は藍染料の日本一の産地。そのエリアで作られた高品質な藍染料は阿波藍と呼ばれ、現在も職人達によって伝統の技が受け継がれています。

藍の葉を発酵させて作る藍染料「蒅(すくも)」

藍染めには2つの方法があります。1つめは生の藍の葉を使う「生葉(なまば)染め」、2つめは藍の草を発酵させて使う「藍建て」です。「生葉染め」は淡いブルーに、「藍建て」は深い青色に染まります。徳島県・吉野川流域で育てられる藍は阿波藍として知られ、藍建ての方法で染められます。藍建ての染料となるのが「蒅(すくも)」。初夏に収穫した藍の葉を細かく刻んだものを発酵させて作られます。発酵を促進させる作業は秋から冬にかけて幾度となく繰り返し行われ、黒い土の塊のような「蒅」が出来上がります。阿波の蒅は量とともに品質もよく、古くから全国に出荷されています。

レディ東京_きものコラム37

染める度に深みを増すカラーバリエーション

藍染めは染める度に色が徐々に濃くなっていきます。一度染めると、薄い水色の「甕(かめ)のぞき」。回数を重ねるとねぎの葉のような「浅葱(あさぎ)色」、そして「紺色」などに染まっていきます。藍の中間色は「縹(はなだ)」でそれよりも薄ければ水色、濃ければ紺色になります。とても深い藍色は「勝色」と呼ばれ、鎌倉時代には武士に縁起がいい色として好まれていたということです。
藍染めの魅力は色合いはもちろんのこと、防虫効果があると言われている香りにもあります。薬草としての効能もあり、美しいだけでなく実用性を兼ね備えていたことから、日本の人々の暮らしとともに月日を重ねてきた染料であることがわかります。
徳島県は藍、蒅の産地というだけでなく、数多くの藍染作家が魅力あふれる藍染めを生み出しています。反物はもちろんのこと、ストールなどのファッション雑貨やハンカチなどの生活雑貨も豊富なので、訪れた際にはぜひ工房めぐりを楽しみたいものです。

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(左)藍染めの数々(右)藍 よしのがわトロッコ

(レディ東京ライター/近藤洋子)


更新日:2023年11月15日(木)