新着

【特集】テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本【応募〆切4/19】

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本
人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。なかでも、その豊かなくらしと優れた建築技術を象徴するのがテルマエ(公共浴場)です。無類のお風呂好きと言われる日本人が高い関心を寄せるテルマエは、とりわけヤマザキマリ氏の漫画『テルマエ・ロマエ』によって多くの人の知るところとなりました。本展は、ナポリ国立考古学博物館所蔵の絵画、彫刻、考古資料を含む100件以上の作品や映像、模型などを通して、テルマエを中心に古代ローマの人々の生活を紹介します。また、本展では、独自の風土のなかで育まれた日本の入浴文化もとりあげます。『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが浴場を通して日本とローマを往復したように、それぞれの入浴文化を体感することのできる機会となるでしょう。

展覧会の見どころと特徴

1. イタリア・ナポリ国立考古学博物館から《恥じらいのヴィーナス》や《アポロとニンフへの奉納浮彫》など、32件が来日!
2. 映像や模型などを通して古代ローマと日本の浴場文化を分かりやすくご紹介!
3. 温泉や銭湯から内風呂まで、国内のお風呂文化の歴史と地域性にも着目!

序章:テルマエ/古代都市ローマと公共浴場

ローマ市で最初のテルマエは、初代皇帝アウグストゥスの右腕・アグリッパによって紀元前25年に建設されました。今も地上に遺構がよく残っているのは、カラカラ浴場(217年)と、ローマ市で最大のディオクレティアヌス浴場(302年頃)です。大規模なテルマエの運営には、水道の管理・維持に加え、大量の燃料と奴隷を必要としました。そのため古代ローマの風呂文化は、中世には消え去ってしまいました。

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本_パナソニック汐留美術館

《カラカラ帝胸像》212~217年 大理石
ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

第1章:古代ローマ都市のくらし

ローマをはじめとした大都市には、政府高官、貴族、商人、職人、労働者、奴隷たちなど多様な人々がひしめくようにくらすようになります。富裕な者たちの家では、しばしば友人たちを招いて豪華な饗宴が催されました。一方、下層民の住空間は狭く、水道や台所、風呂の設備もありませんでした。
皇帝たちは大衆の不満を解消すべく、食糧の施与や見世物など娯楽の提供という施策を行いました。テルマエも、大衆からの人気を得るのに大いに役立ちました。庶民たちのくらしは、特別な日の見世物と、毎日の仕事のあとのテルマエによって彩られていたのです。

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本_パナソニック汐留美術館

(左上)《炭化したパン(レプリカ)》 79年 ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo © Luciano and Marco Pedicini
(左下)《千華文の皿》 前1~後1世紀 ガラス 平山郁夫シルクロード美術館蔵
(中央下)《剣闘士小像》テラコッタ ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo © Luciano and Marco Pedicini
(右)《ヘタイラ(遊女)のいる饗宴》1世紀 フレスコ ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo © Luciano and Marco Pedicini

第2章:古代ローマの浴場

テルマエのルーツには、古代ギリシャの運動施設の水風呂や、医療行為として神域に設けられた入浴施設があります。それらを大衆の娯楽のために、驚くほどの規模へと発展させたのはローマ人でした。
ローマ人にとって、テルマエは単なる体を洗う場所ではなく、身体を動かし、汗を流し、多くの人と交流して、心身の健康を保つための場所でした。種々の浴室のほかに、運動場やいくつもの部屋が付随していたのは、テルマエの複合施設としての性格を示しています。
大規模なテルマエをつくるには、用地と水道が必要でした。紀元前19年にウィルゴ水道が敷設されると、水や湯をふんだんに使用する正真正銘のテルマエとなりました。

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本_パナソニック汐留美術館

(左)《アポロとニンフへの奉納浮彫》2世紀 大理石 ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo © Luciano and Marco Pedicini
(中央上)《銅製把手付ガラス壺》3~4世紀 ガラス MIHO MUSEUM蔵
(右上)《入浴道具》1世紀 青銅 ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo © Luciano and Marco Pedicini
(中央下)《ライオン頭部形の吐水口》1世紀 青銅、テラコッタ ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini
(右下)《金製指輪》1世紀 ベリル(緑柱石)、金 国立西洋美術館 橋本コレクション蔵 Photo © 上野則宏

第3章:テルマエと美術

テルマエは、大衆が美術品を間近に見ることのできる場でもありました。床には水に強いモザイクが好まれました。また、ローマの大規模なテルマエには、数多くの大理石彫刻も飾られ、皇帝や浴場の建設者の肖像のほかに、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーが壁面のニッチや円柱の間の台座の上に並んでいました。主題は適当に選ばれたわけではなく、浴場にふさわしいものが選択されました。

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本_パナソニック汐留美術館

(左)《ヘラクレス小像》前1~後2世紀 青銅 MIHO MUSEUM蔵
(右)《恥じらいのヴィーナス》1世紀 大理石 ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

第4章:日本の入浴文化

日本の入浴は、おおまかに、天然の温泉と、人工的な施設で行うものとに分けられるでしょう。火山列島のため豊富に温泉の湧く日本では、古くから各地の温泉が地域の住民によって守られ利用されてきました。戦国時代には、武田信玄の隠し湯のように、武将たちが療養のため領内の温泉を訪れることもありました。
人工的な入浴施設は、仏教の寺院内につくられ、汚れと穢れを清める場として広まっていきました。江戸時代には町の中に湯屋が整備され、お湯につかるという現代にいたる入浴のスタイルが定着します。本章では、こうした日本の入浴に関する美術品や資料を紹介します。江戸・東京からアクセスがあった箱根や熱海の温泉や東京にも今なお多く残る銭湯にまつわる資料も展示し、また家庭内の内風呂にも着目します。

テルマエ展_お風呂でつながる古代ローマと日本_パナソニック汐留美術館

(上)豊原国周《肌競花の勝婦湯(はだくらべはなのしょうぶゆ)》明治元年(1868)木版色摺
神戸市立博物館蔵 ※展示期間 : 5月9日(木)~6月9日(日)
(左下)歌川国貞(三代歌川豊国)《江戸名所百人美女 御殿山》安政5年(1858)木版色摺
ポーラ文化研究所蔵 ※展示期間 : 4月6日(土)~4月30日(火)
(右下)《花王石鹸》明治23年(1890)発売 石鹸、木箱 花王ミュージアム蔵

 

■展覧会名/テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本
Thermae: Ancient Rome, Japan, and the Joy of Bathing
■会期 4月6日(土)〜6月9日(日)
■休館日/水曜日(ただし6月5日は開館)
■開館時間/10時〜18時まで(ご入館は17時30分まで)
※5月10日(金)、6月7日(金)、6月8日(土)は夜間開館を実施いたします。
20時まで開館(ご入館は19時30分まで)
■入館料/一般:1,200円 65歳以上:1,100円 大学生・高校生:700円 中学生以下:無料
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
■主催/パナソニック汐留美術館、朝日新聞社
■後援/イタリア大使館、港区教育委員会、東京都浴場組合
■協力/ヤマザキマリ
■お問い合わせ/TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)
■アクセス/JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分、東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分、都営浅草線新橋駅「JR新橋駅・汐留方面改札」より徒歩約6分、ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分、都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分

★こちらの無料観覧券を5組10名様にプレゼント!
★申込み締切4/19(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

プレゼント応募


更新日:2024年4月3日(水)