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第23回 琉球びんがた


■ 第23回 琉球びんがた ■

沖縄は日本の中でも染織物の宝庫。琉球王国が繁栄した14~16世紀頃は、中国や東南アジア、インドと交易が盛んだったため、これらの地方から様々な染織の技法が伝わりました。沖縄ならではの植物を染色の原料としたり、南国ならでは青い空と海、色とりどりの花々が織りなす美しい景観や風土に影響を受けながら、独自の発展を遂げた沖縄の染織物。今回は色鮮やかな染色が魅力の「琉球びんがた」を紹介します。

琉球びんがた 紅型

琉球王府の庇護のもと発展

数多くある沖縄の染織物の中でも唯一の染物となるのが「琉球びんがた」です。
その歴史は14世紀前後にさかのぼり、インドで誕生した更紗などなどの技術が取り入れられています。古くは王族や士族の衣装に利用され、諸外国との交易品でもありました。王府の庇護のもと技法や模様が発展し、途中、大和の染物の影響を受けながら18世紀頃には今の様式の紅型へと確立されました。

南国の陽射しに負けない色鮮やかさ

「琉球びんがた」といえば、独特の色鮮やかさを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。なぜあんなにも色鮮やかなのかというと、染料に顔料を用いているからです。顔料は沖縄の強い陽射しでも色が飛びにくく、大胆な配色が南国の光に照らされた風景によく合います。また、花鳥風月が描かれた華やかな図柄ながら、素朴さが感じられるところも魅力です。他の日本の染織のように季節感がないことも特徴の一つ。春夏秋冬の風物が1 枚の型紙に描かれており、1年を通して温かい沖縄ならではの模様になっています。
さらに中国のゴージャスさと日本の繊細さも併せ持つ唯一無二の美しさです。「琉球びんがた」には、赤、黄、青、緑、紫を基調とする色鮮やかな「紅型」と、藍の濃淡や墨で染め上げる「藍型 (イェーガタ) 」があります。藍型は落ち着いた雰囲気なので、派手過ぎず手に取りやすいかもしれません。

琉球びんがた①

すべての工程が手仕事

他の友禅は機械を使った染織方法もありますが、「琉球びんがた」はすべての工程が昔ながらの手仕事です。多くは型紙が用いられますが、型紙を使用せずに生地に直接模様を描く筒描きという手法もあります。また全ての工程を一つの工房で行うことが多いのも特徴です。

琉球びんがた②

京友禅や加賀友禅、江戸小紋と並んで日本を代表する染物の「琉球びんがた」。南国独特の美しさを身に纏ってみませんか。
(レディ東京ライター/近藤洋子)


更新日:2022年9月21日(水)