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【特集】生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展

海岸のゴジラ イメージボード、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)より © TOHO CO., LTD.

日本の映像史に重要な位置を占める「特撮(特殊撮影技術の略称)」領域に大きな足跡を遺した特撮美術監督、 井上泰幸の個展が開催されます。 2022年に生誕100年を迎える井上泰幸(1922-2012)は、特撮のパイオニアである円谷英二(1901-1970)のもと、「ゴジラ」(1954)から特撮美術スタッフの一員としてそのキャリアをスタートしました。以降、デザイイナー/特撮美術監督として、特撮映画のみならず日本映画・TV史において重要な作品を数多く手がけ、映像文化を支えた稀有な作り手です。本展では、井上の遺したスケッチ、デザイン画、絵コンテをはじめ、記録写真や資料、 撮影で使用したミニチュアやプロップ、当時を再現したミニチュアセットなどの展示を通して、その功績と日本 の特撮映像史を俯瞰し、次世代に向けて創造的なインスピレーションを喚起することを目指します。
2012年に開催した特撮領域全般をテーマとした「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」では、空想的・非日常的光景を作り出す技術であるとともに、デジタル技術が発展した現代における一つの「文化」としての「特撮」が注目を集め、幅広い年齢層の約30万人が来館。同展でも、会期直前に逝去した井上による貴重なスケッチや図面、セットデザインなどが展示されました。その後、 特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC、理事長:庵野秀明)が組織され、世界の尊敬を集める「日本のミニチュア特撮」領域の再評価や研究が本格的にスタートしたと言えます。
それに続く本展では、ひとりの作家・作り手としての井上とその作品に焦点をあてます。井上は福岡県古賀市に生まれ、第2次世界大戦従軍から負傷して戻り、紆余曲折を経て日本大学芸術学部に籍を置きました。バウハウスに学んだ山脇巌に師事し、東宝で円谷監督のクリエーションを実装するという劇的な人生を送り、東宝では渡辺明に続く二代目の特撮美術監督として、重要な役割を果たしています。また、東宝から独立後にアルファ企画を設立し、国際的にも高く評価された多くの作品群を支えました。本展は、ご遺族をはじめ特撮研究所、アニメ特撮アーカイブ機構の企画協力を得て、井上とゆかりある関連機関と連携し、庵野秀明(「シン・ゴジラ」)や樋口真嗣(「シン・ウルトラ マン」)ら、現在最前線で活躍するクリエーターに多大な影響を与えた井上作品の魅力を探ります。

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(左)福岡・岩田屋周辺ミニチュアセットのメイキング写真、「空の大怪獣ラドン」(1956)より © TOHO CO., LTD.
(右上)福岡・岩田屋周辺ロケハンスケッチ、「空の大怪獣ラドン」(1956)より © TOHO CO., LTD.
(右下)怪獣・建造物設定対比図、「モスラ対ゴジラ」(1964)より © TOHO CO., LTD.

展覧会みどころ

1.特撮美術監督・井上泰幸の功績を俯瞰する
2.井上泰幸の美術表現を探る
3.特撮文化を継ぐクリエーターが作るメインビジュアルと大型ミニチュアセット

【出品予定作品・資料】
井上のスケッチ、デザイン画、絵コンテ、記録写真や資料、完成映像、撮影で使用したミニチュアやプロップなど作品点数約500点を予定。

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(左上)セット設計(部分)、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)より © TOHO CO., LTD.
(右上)海岸のゴジラ イメージボード、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)より © TOHO CO., LTD.
(左下)ゴジラ対クモンガ イメージボード、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)より © TOHO CO., LTD.
(右下)ヘドラ デザイン画、「ゴジラ対ヘドラ」(1971)より © TOHO CO., LTD.

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(左上)月面基地 イメージボード、「怪獣総進撃」(1968)より © TOHO CO., LTD.
(左下)緯度0基地 設定俯瞰図、「緯度0大作戦」(1969)より © TOHO CO., LTD.
(中央)万能潜水艦アルファ号 デザイン画、「緯度0大作戦」(1969)より © TOHO CO., LTD.
(右)井上泰幸 アルファ企画にて、1994年 撮影:斎藤純二

生誕100年特撮美術監督 井上泰幸展
■会期/3月19日(土)〜6月19日(日)
■開館時間/10時〜18時(入場は閉館の30分前まで)
■休館日/月曜日(3月21日は開館)、3月22日
■会場/東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
■入場料/一般:1,700円(税込)、大学生・専門学校生・65歳以上:1,200円、
中高生:600円、小学生以下無料
■主催/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、朝日新聞社
■助成/令和3年度文化庁文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ支援事業
■企画協力/特撮美術監督 井上泰幸 実行委員会、特撮研究所、アニメ特撮アーカイブ機構
■協力/東宝、円谷プロダクション、KADOKAWA、東映、ピー・プロダクション、
須賀川特撮アーカイブセンター、森ビル、ケイズデザインラボ
■問合せ/050(5541)8600(NTTハローダイヤル)
■アクセス/東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分、東京メトロ東西線「木場駅」3番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車、都営地下鉄新宿線「菊川駅」A4番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車


◎公式HP→ https://www.mot-art-museum.jp

◎公式Twitter→ https://twitter.com/MOT_art_museum

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★申込み締切 4/22(金)12:00まで
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

更新日:2022年4月6日(水)